中国EVメーカー「BYD」:2023年に日本でEVを発売

少々古い記事ですが、念の為掲載します。

中国の自動車メーカーBYDの日本法人であるBYD Japanは、子会社のBYD Auto Japanを通じて、日本の乗用車市場への参入を発表しました。2023年1月から、3台のEVが順次発売される予定とのこと。

BYDとは

BYDは、1995年に中国の深圳で創業。自動車、ITエレクトロニクス、新エネルギー、都市モビリティの4つの領域で事業展開している自動車メーカー。創業はバッテリーメーカービジネスである強みを活かし、モーターやコントローラーなど、電気自動車のコアとなる技術を自社で開発、製造。

自動車事業においては、世界70超の国や地域、400超の都市にNEV(EV、PHEV、FCV)を展開しており、2021年には約60万台ものEVを販売している。中国国内では9年連続でEV販売台数第1位を達成。

日本では、EVバスやフォークリフトなどの商用車を販売してきて「BtoB」ビジネスの蓄積は一定程度あるが、「BtoC」ビジネスはこれから。

BYDの強み

ブレードバッテリ

刀(ブレード)のように、細長く平たいバッテリーセルそのものをバッテリーパックのひとつの構成部品としてモジュールを無くすことで、薄型形状のバッテリーセルをより多くバッテリーパックに収めることが可能となっているという。

バッテリーセルそのものをバッテリーパックのひとつの構成部品とすることで、空間利用率を従来比50%改善。これにより、安全性を担保しながらエネルギー密度を大幅に高め、航続距離を向上することに成功している。

EV専用プラットフォーム:e-Platform 3.0

ブレードバッテリーと8つのモジュールを集約した8in1パワーシステムアッセンブリーを採用することによって、安全性、デザイン・スペース性、効率性、インテリジェンス性の4つを向上。

まずは3モデル

今回日本へ導入されるのは、3車種のフルEVであり、ブレードバッテリーとe-Platform3.0が採用されている。最初の1台は2023年1月に導入されるミドルサイズSUVのATTO3。次いで、コンパクトハッチバックの「DOLPHIN(ドルフィン)」、そしてセダンの「SEAL(シール)」になる。

ATTO3

ATTO3は、2022年2月に中国で販売を開始して以降、シンガポールやオーストラリアなど、中国国外でも販売されているグローバルモデル。ブレードバッテリーを搭載したEV専用のプラットフォーム、e-Platform3.0を採用することで、高い安全性とともに、485kmの航続距離(社内で計測したWLTC値)を実現。また、フラットな床面によって、広い車内空間と440Lの荷室容量を確保している。

DOLPHIN

DOLPHINは、2021年8月に中国で販売が開始された。こちらもe-Platform3.0を採用し、471kmの航続距離を可能としている。ラインアップは、スタンダードとハイグレードの2種類で、両グレードともに交通標識認識システムや誤発進抑制機能などを標準装備。毎月、1万台レベルを販売し続けているベストセラーカーだ。日本には、2023年の半ばに上陸予定。

SEAL

セダンモデルのSEAL(シール)が最後に登場予定。cd値は0.21と、同クラス最高レベルの数値を獲得している。SEALは、2022年5月に発表したばかりの最新モデルで、航続距離は555km(欧州WLTP)に達している。日本には、2023年下半期の導入が予定されている。

全国での販売店展開を予定

日本への再導入を果たしたヒョンデ(旧ヒュンダイ)は、基本はネット販売で既存のショールームはわずか数店舗に押さえる意向でスタートしているのに対し、BYDはこれまでの自動車販売方法と同じく、全国にディーラー網を展開する予定となっている。そこで驚くのが、BYDでは2025年までに100店舗を日本全国に展開するということだ。たとえば、アウディの日本におけるディーラー数は全国に124店舗(2021年2月時点)なので、それに迫る勢いであり、新規参入ブランドとしての本気度が窺える。

「(日本では)BYDの乗用車のブランド力はまだゼロに近い。日本で信頼感を得るために対面式の販売にこだわる」。BYDジャパンの劉社長は日本での販売戦略についてこう話す。

BYD
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