基本的な考え方
スポーツカーに限らず、Porscheを中古で買うのは、楽しいのですが、難しいです。ご承知の通り、Porscheを新車で買うときには、ボディーカラー、インテリアのカラー、素材、仕上げ、そしてアルミホイールや各種のオプションなど、星の数ほどの組み合わせから選ぶことができます。特にスポーツカーユーザーの場合は、金銭的余裕があり、車の複数台所有が多いので自分の好みにカスタマイズし、そのために1年以上待っても構わないという人が多いです。SUVにも多少はその傾向があります。(この辺りは、国産やメルセデスを過去に買った方でPorscheを中古で買うつもり、といった方はご注意ください。パッケージやXXXXラインという組み合わせコンセプトはあまり存在しません。)
<2022年4月17日追記>
一部補足します。「パッケージやXXXXラインという組み合わせコンセプトはあまり存在しません。」と書きましたが、マカンには「SportsDesign Package」が存在しますね(少なくとも二代目には)。具体的には、フロントとリアのバンパーデザイン変更、サイドスカート追加、前後のスキッドプレート装着し、リアスポイラーはボディカラー同色、でしょうか。
ですから「オプション総額300万円のおすすめ車両!」などといった言葉に惑わされてはいけません。オプションがたくさんついている事が必ずしも良いことではありません。沢山のオプションが付いている中古車でも、自分の欲しいオプションが付いていない事もあります。
従って、自分が本当に必要なオプションやボディーカラー、インテリアの基本ラインをまずは決めてから望むことをお勧めします。中には、アフターマーケットで購入できるパーツもあります。
また、Porscheに限らず輸入車は、オプションの具体的な内容が不明なことも多いです。世代の古い車では、インポーターのWebサイトの記載は見当たらないでしょうし、販売店も明快には回答できないかもしれません。不明な点はWeb等で確認し、納得される事をお勧めします。(同じ機能でもメーカーで名称が違うこともありますし)
例えば、こんな感じでしょうか。
- GTSかSが欲しい。ターボまではいらないかな。(グレードは縛られますが、世代は選択肢があります)
- PSCBは高くても譲れない。(数は少ないですが、探すしかない)
- パノラマルーフは絶対に欲しい。(よくあります)
- ナビは日本製に換装したい。PCMはイヤ。(1台目の初期型が楽なチョイスです。走行距離に注意。)
- PASM付きのエアサスがいい。(数は少ないですが、探すしかない)
- スポーツクロノはマストでしょ。(よくあります)
- 安全機能は満載して欲しい。(2代目、3代目ですかね)
中古車ですので、出会いは一期一会。今日見かけても明日は売れてしまうかもしれません。上記の様な希望スペックの車に出会う事は少ないかもしれませんが、妥協できないアイテムを決めておいてから中古のマカンを物色する事をお勧めします。
オプション
突き詰めると「好み」なんですがやはりマカンを購入される方は、「スポーティな」コンパクトSUVを求めていると思われますので、「走って楽しい系オプション」を、ご家族の同意を得ながら(あるいは無視しながら。。)選ぶ傾向があると察します。そうすると、やはり定番系のオプションは選びたいところです。
なお、下記オプションの記載は3代目のマカンをベースに行なっています。他の世代では仕様が異なったり、同じ世代でも途中で仕様変更になったり、装着不可だったり、そもそも設定がない場合もあります。詳細は販売店へお尋ねください。(ポルシェジャパンのWebサイトにも記載はありません)
スポーツクロノパッケージ
スポーツクロノパッケージは基本的に工場オプションですで、新車購入の場合はオプション購入する必要がありますし、中古車の場合は「装着されている車両」を選ぶ必要があります。テクイップメントもある様ですが、日本での適用状況は不明です。
頻繁にサーキットでレースをされる方は必須オプションでしょう。街乗り中心の方でも、常時ダッシュボード上のスポーツクロノストップウォッチやステアリングホイールにモードスイッチが視界に入りますので、気分が上がります。個人的には最もお勧めします。
装着すると、以下の装備が追加になったり、機能が追加されます。
- ダッシュボードへのスポーツクロノストップウォッチの装着。
- ステアリングホイールにモードスイッチが装着され、マニュアルで走行モードをNORMAL、SPORT、SPORT PLUS、INDIVIDUALに切り替えることが可能。選択モードは、インストルメントパネルで確認可能。SPORT、SPORT PLUSを選択すると、エンジン、ハンドリング特性、シフトポイント設定が変更となり、よりスポーティなドライビングが可能。
- モードスイッチ内のSPORT Responseモードボタンを押すことにより、エンジンおよびトラン スミッションがタイマー コントロールで20秒間、最大レスポンスに設定。追い越しの際などに、性能を強化してレスポンスを迅速にするために使用。インストルメントパネルで確認可能、タイマーのカウントダウン表示。
- スポーツクロノストップウォッチ機能を使用可能。スポーツクロノストップウォッチやPCMで計測可能。
- ラップ回数、完了したラップ距離、ラップタイム等の情報を記録可能。
- ストップウォッチタイムの表示場所
- ダッシュボードへのスポーツクロノストップウォッチ
- マルチファンクションディスプレイのクロノメニュー
- PCMの画面
ポルシェアクティブサスペンションマネージメント(PASM)
ポルシェジャパンのWebサイトには以下の記載があります。
電子制御式アクティブダンピングシステム。3つのモード(”Comfort”、”SPORT”、”SPORT PLUS”)を選択可能。
上記では説明不足ですので追記します。ポルシェアクティブサスペンションマネージメント(PASM) はショックアブソーバーをアクティブに調整し、走行安定性、快適性、そしてパフォーマンスを高めます。アジャスタブルダンパーシステムは、走行状態や走行条件に応じて各ホイールに適切なダンピングフォースを制御します。路面状況やドライビングスタイルに応じて、各ホイールのダンパーの減衰力を無段階に調節することにより、走行安全性、俊敏性、および快適性が最適化されます。
センターコンソールのボタンの操作で3種類のシャーシモードから選択できます。選択したシャーシモードはインストルメントパ ネルに短時間表示されます。
- Comfort(デフォルト)
- Sport
- Sport Plus
なお、第3世代では、ベースにオプション装備、S及びGTSは標準装備です。
加えて、1代目ですと利便性や見た目を考慮して「LEDライティングシステム」でしょうか。
グレード
個人的にはベースグレードでも十分マカンを楽しめると思います。資金的な余裕があれば「S」でしょうか。もっと資金的な余裕があれば「GTS」に限ります。これはPorsche一般に言える悩みですね。オプションの組み合わせも絡んでくるので簡単ではないです。リセールバリューはPorscheのどのモデルでもGTSに敵いません。
ターボは不要だと思います。あまりにも下取り事の価格が下がり過ぎます。これもPorsche一般に言える話です。911でもPanameraでも同じです。
マカンの中古を探すなら
ポルシェ認定中古車をまずはお勧めします。(ポルシェセンター関係者ではありません)
マカンに乗ると、そのタイトな車内空間やエンジンのピックアップの良さや、メーター配置により、飛ばしたくなるんです。。。アクセルペダルに置いた足を踏み込みたくなるんですよ。。。それに応えてくれる車なので。
だからこそ、高速コーナーを安心して駆け抜けられる様、安心できる品質や安全を保証してくれる車をお勧めしたいです。中でも、ポルシェ認定中古車を正規販売店で購入することをお勧めしたいです。
ポルシェのWebサイトには以下の記載があります。
ポルシェ認定シールが貼付された初年度登録から14年に満たない全ての車両は、ポルシェ純正部品のみを使用してポルシェのテクニシャンによって専門的に準備されており、私達はこれをポルシェ基準と呼びます。文書化された車両の履歴、ポルシェ認定中古車保証、によって私達は品質保証以上のものを提供します。ポルシェは信頼を生み出します。
保証規定:
- 最低12ヵ月のポルシェ認定中古保証
- 111のチェック項目をもとに点検が実施された車両
- ポルシェ準備基準を満たす車両
- ポルシェ純正部品のみを使用
- 全ての作業をポルシェのトレーニングを受けたテクニシャンが実施
もちろん、街の中古車販売店やポルシェ専門店を否定しているのではありませんので誤解しないでください。空冷911等を購入するのであれば、私もポルシェ専門店に足を運ぶと思います。しかしながら、マカンの様な比較的まだ年式の若い車であれば、また中古マカンを選ぶであろう方の車暦等を考慮した場合は、「ポルシェ認定」という庇護に守られていた方が賢明であると考えています。
上部で記載しましたが、自分の好みのオプション装着の如何で選択する際は、ポルシェジャパンの中古車検索が使いやすいです。Porscheの純正オプション名称で選択ができます。気になった車両のオプション装着状況も明確に確認できます。
もちろん、カーセンサー等よりは掲載台数は少ないのですが、自分の欲しいオプションが装着されているか、明確に確認できます。ここで相場感を身につけ、カーセンサー等で検索しても良いと思います。
残念ながら、車に乗れば望まずとも事故は起きます。不慮の事故に巻き込まれることもあります。また、Porscheに限らず輸入車は、このブログで時々掲載している様にリコールは比較的多いです。国産では思いもよらない様な部品が壊れたりする事もあります。その様な、アフターセールスの対応も含めると、やはり「ポルシェ認定」という庇護に守られて乗り出した方が安心です。
加えて、この世代のPorscheからPorsche Connectが導入されています。前のユーザーの利用状況(車に紐づくサービスが多いですからこれは意外と重要)、アカウントの作成、使用できるサービスの確認、通信状況の確認等、実に複雑なので、おそらく市中の販売店では対応が厳しいと思います。ポルシェセンターであれば、細かな対応をしてくれると思います。(たぶん。。。人によりますかね。。)
良いPorsche Lifeを!
(この記事は流動的な記事ですので、適宜更新予定です)